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A Thousand Splendid Suns A Thousand Splendid Suns

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KHALED HOSSEINI 著

読み終わりました。
読み終わったときの複雑な気持ちは、言葉では言い表すことが非常に難しいです。
未だにこの本に書かれているような社会が現実に存在していることに対する驚きであり、怒りであり・・・
平和な世の中では当たり前のように保障されている自由。
それがどれほどありがたいことか。どれだけの犠牲の上に成り立っていることか。
そのくせ、幸せを実感しながら生活できない人が今の日本にこれほど溢れているのはなぜなのか。
・・・とにかく、この本はお勧めです。日本語訳で出てくれないかな。

以下、簡単な概要。

1900年代後半のソビエト侵攻、また911後のブッシュ政権下の対テロ戦争の舞台となったアフガニスタンを生き抜く、生き様も背景も年齢も大きく異なる二人の女性、MariamとLailaの物語。
彼女たちに次々と襲い掛かる戦火の炎、そして根強く残る女性蔑視のイスラム原理主義的社会構造。
そして皮肉にも、決して交わることのなかったであろう二人を結びつけたものが戦火であり、社会であった。
出会った当初は互いに憎みあっていた二人が、いつしか決して断ち切ることのできない強い絆で結ばれていく。

これは筆者がアフガニスタンで実際に取材した内容を基にして書かれた物語。

12、3歳くらいの、日本で言えば中学生になったばかりの女の子が、
有無を言わさず見たこともない男のもとへ嫁がされたり。

ごはんが少し硬いことに腹を立てられ、「硬い米を食べさせられる夫の気持ちが分かるか」と
石を口いっぱいに詰めさせられ、噛まされて口を血だらけにして歯を失ったり。

胎児と母体の生死がかかった手術が必要な事態にも関わらず、
タリバンによる男女差別政策により麻酔すらない、女性と子供たちで埋め尽くされ足の踏み場もないほどの劣悪な環境の病院で手術されることを余儀なくされたり。

今思い返してみても、読んだときの戦慄が蘇ります。
「目を背けたくても、目を背けてはいけない歴史や現実がある。」
中学のとき、世界観を広げてくれた社会の先生の言葉です。

使われている語彙が幅広く、自分自身まだまだ英語力が不足していることもあって、よく理解できていない部分も多いです。しかし、英語力をなんとしても身につけてもう一度最初から読み返したいと思える一冊です。
是非、原文を読まれることをお勧めします!

以下、簡単なストーリーの要約を書いていきます。一週間ほどストーリー要約の連載になるかもです。

~~~

Mariamは人里はなれた集落Heratで、私生子として母であるNanaと共に、父であるJalilが「償い」としてNanaとMariamの為に建てた小さな小屋で幼年期を過ごす。Mariamは、毎週ささやかなプレゼントと共に訪ねてくる父Jalilと会える事が何よりの楽しみだった。しかし、Nanaは一人娘であり、彼女の人生の全てでもあるMariamを愛するあまり、Mariamが父に惹かれていくことに複雑な感情を持ち、事あるごとに父の悪口をMariamに吹き込むようになる。MariamはNanaの父への言動に辟易し、母の言葉を徐々に信用しなくなる。

15歳の誕生日を目前に控えたMariamは、ある強い願望を胸に秘めていた。それは、未だ見たことのない父の家を訪ね、未だ見たことのない異母兄弟たちと一緒に「ピノキオ」を見ることだった。
(JalilはHerat随一の資産家であり、映画館を所有していた)。
その願望を口にしたとき、Nanaは大反対し、「Mariamが家を出るなら死ぬ」と言って引きとめようとした。
いつもはMariamの願いを何でも笑顔で優しく聞き入れてくれる父も、この時ばかりは途方にくれた様子でNanaを擁護した。
しかし、Mariamは誕生日当日、Jalilの家を目指して家を飛び出してしまう。Jalilの家に到着したとき、日は暮れかかっていた。ところが、Jalilに会うことはかなわかった。それどころか、Jalilの運転手に「Jalilは仕事に出ていて、いつ帰ってくるか分からない」と言われ、門の中に入ることすら許されなかった。(晩年の彼の手紙の内容から、実際には彼は家の中にいたと推測される)
あたり一面がすっかり暗くなっても、MariamはJalilを信じ続けた。結局、Mariamは寒々しいコンクリートの上で、一夜を明かすことになる。そして、Mariamが「Nanaが首をつって死んだ」という悲報を耳にしたのは翌日のことであった。

~~~

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